帝一の國3

2018/01/07

古屋兎丸、集英社。野望の学園成り上がり漫画、三巻目。今回は会長選挙指名戦ということで、ほぼ一巻丸々草壁先輩を陥れるべく、帝一を始めとするおポンチ軍団がドタバタドタバタ、陰謀を張り巡らせる巻でした。表紙の段階からかなりギャグに振ってるな、と感じましたが、中身を開けてみると想像以上にアクセル踏み込んでおり、こいつらこんなにバカだっけ、と思って思わず一巻二巻を読み返してしまった。バカだった。
相変わらずの無駄な勢いと熱さを武器に、野望の高校生活を邁進する帝一。しかし詰めの甘さも相変わらずで、そこがどうにも可愛げになっている。愛嬌というのは武器だなぁ、と九話シメの爺扮装見ながら思った。「将来スパイ映画の題名に〜」とか言ってるけど帝一クン、スパイ大作戦って既に放送されてね?
常識人兼真面目なライバルである弾くんは、こういう間抜けた展開にはあんま関わらないらしく、前巻ほどの目立ち方はない。一方で東郷&根津はコミックリリーフとしての実力をいかんなく発揮し、出番満載。こいつらもうっとりするくらいバカで、出てくると安心する。特に根津クン、なんで君は足で拍手するのかね。唐突に。
唐突というのは、この漫画の笑いを考える上で重要で、今回で言うと親父の背中の毘沙門天と、川俣先生の「赤毛のアン」マニア設定。コレは唐突だからこそ死ぬほど面白い。親父通産官僚なのにモンモン背負ってていいのか。そして川俣先生、読み返すとちょくちょくあアンシリーズ読んでるの止めてください、面白いんで。
今回は野望の青春物語という側面よりも、リキみの入った豪速球ギャグ漫画という側面がクローズアップされた巻だった。この話、人間の薄暗い部分をテーマにしているんですが、滑稽さと愛嬌でついつい笑ってしまい、エグい展開が飲み込めちゃう。兎丸先生の濃い絵柄も相まって、笑いの強さを再確認できる巻でした。